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Super Famicom (Gungnir) さんの日記
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音楽がもたらす理想と現実
ラジオを聴きながらFF14をプレイすることがよくある。
最近では「radiko」なんていう、インターネットサービスもあるものだから、
わざわざ電波状況を気にすることなくラジオが楽しめて、非常に嬉しい限りである。

先日、例によってラジオを聴きながらリーブなどをモリモリとやっていたところ、
ふいに、山崎まさよしの「根無し草ラプソディー」という曲がかかった。

「うっわ、懐かしい」と、思わず操作する手を止めてしまう私である。
学生の頃、よく聞いていたミュージシャンの一人にこの人の楽曲が挙がる。

あいにく、ワンコーラスしかかからなかったけれど、
その当時を思い出すには十分だった。
友達とバカなことばっかり話しては笑い転げていたあの日々。
ささいなことがきっかけで喧嘩になったこともあった。
手を繋ぐのにもドキドキしながら一緒に下校したあの子は元気だろうか。
下駄箱から溢れるほどにラブレターが入っていたこともあったっけ。
ふふ、懐かしいなぁ。

以上、いくらかの装飾を交えながら蘇る記憶。
ふと気がつく。
そういえば、アルバムをいくつか持ってたよな。

一旦、FF14を中断し、押入れを漁る。
雑誌やら洋服やらが詰め込まれた中を掻き分け掻き分け、
なんでこんなところにツナ缶があるんだ、とか、
おお、こんなところに未開封の歯ブラシが、
なんてことを交えつつ件のアルバムを探す。
ただいまの時刻は23時42分。
大の大人が押入れをゴソゴソする時間にふさしいのかどうなのか。
だけれども、物事というのものはそういうものである。
ふいにそんな瞬間が訪れるのである。

真夜中にちょっとパソコン周りの埃が気になりだして、
クイックルワイパーを持ち出し拭いていたら、
その周りの埃にも気を取られて、ややや、こっちも、あらら、そっちも
なんて具合に、気がつけば大掃除になっていることだってあるのだ。
せっかく風呂に入ったというのに汗だくになっていることだってあるのだ。

話を戻すけれど、それはやはりあった。
いくらかカバーに傷があるものの、意外ときれいな状態のそれは
「アレルギーの特効薬」と「HOME」。ついでに「ドミノ」もあった。
要するにファーストからサードアルバムまで持っていたことになる。

ジャケットを見て懐かしんで、歌詞カードをぱらぱらとめくりニヤニヤして、
なぜか若干の緊張を持って、まずはファーストアルバムからCDトレイに乗せる。
しばしの読み込みの後、再生を押す。

爆発したかのようなテンションがヘッドホンからあふれ出す。
懐かしさと斬新さが同居する不思議な高揚感に包まれた私は、
再びコントローラーを握り直す。

ただいまの時刻は0時37分。
日付も変わり、外はすっかり静まり返っている。
ヘッドホンからは相変わらず素敵な曲がズラズラと流れてくる。
そのコントラストは、より一層の高揚感を与え、私はついつい口ずさんでしまう。
ともすれば、今が真夜中だということを忘れてしまうくらいに。

翌朝、寝ぼけ眼でごみを出しに行く。
集積所にはすでに誰かいて、先にごみを出し終えたのだろうその人は、
振り返りざまに私と目が合う。隣に住んでいる人だ。
会社はさすがに分からないけれど、OLとして働いているらしい。

「おはようございます」と互いに挨拶をしたあとで、その人はこう言う。
「山崎まさよし、好きなんですか?」

しまった、聞かれてたか。
そういや昨夜は暑かったから窓を少し開けていたんだった。
私は気恥ずかしさと、迷惑をかけたことへの申し訳なさで、
いくらか口ごもりながら謝る。

「あ、ごめんなさい。うるさかったですよね」
「いえいえ、大丈夫です。それより、よかったら今度CD貸してもらう
ことって出来ます?今さらなんですけど、山崎まさよしいいな、と思ってて。」

私は驚く。ひとまず怒ってはいないようではあるけれど、
唐突な申し出にいくらか戸惑いつつも、断る理由もないし、
多少なりとも昨夜のお詫びになるかもしれないと思い、貸すことにした。

「じゃあ、いま持ってきますんで、ちょっと待ってて下さい」
「あ、いや、あの、今すぐじゃなくても大丈夫ですから」
「いや、もう聞き終わったし、気にしないで下さい」
「そ、それじゃあ私も一緒に伺いますので!」

遠慮深い人なんだな、と思った。
普通、真夜中に下手糞な歌声が聞こえてきたら怒るだろうに。
挨拶もそこそこにさっさと自分の部屋に戻るとか、
それくらいのことをしたってバチは当たるまい。
にも関わらず、挙句の果てにわざわざCDを取りに来るだなんて。

「えーと、この3枚しかないんですけど」
「わぁ、ありがとうございます。すぐに返しますので」
「いえいえ、ゆっくり聞いてください。返すのは手が空いたときで構いませんので」
「それじゃあ、すいません。お言葉に甘えて」

その後、彼女と少しだけ他愛のない世間話をして、
彼女に出社の時間が来たので別れることとなった。
私も部屋に戻り、仕事の準備に取り掛かる。
昨夜、思いがけず夜更かししてしまったため、まだ眠い。
冷たい水で顔を洗い、眠気をわずかでも飛ばし、身支度を整えていると、
部屋のドアをノックする音がした。
出てみると、彼女が立っていた。

「あの、これ、私の携帯の番号です。えっと、CD、なるべく早くお返ししたいと思ってるんですけど、
でも、必要になったらいつでも連絡して下さい。すぐに返しに伺いますので!」

差し出された紙片は、彼女が仕事が使うであろう名刺で、
その裏に丸っこいけれどはっきりとした字で11桁の番号が書かれている。
私がいくらか驚きながらも、それを受け取ると、彼女は
「どうもありがとうございました。それでは行ってきます」
と頭をペコリと下げ、足早に通りへ出ていった。

彼女が頭を下げたときに香った香水の残り香に包まれながら、
私は、妙にくすぐったい、けれどなんだか懐かしい感情が芽吹いたのを感じた。

という妄想を差込みつつ、ただいまの時刻は2時19分。
3枚目のアルバムも終わりを迎え、結構な修練値を稼ぐ結果となりました。
朝、ご近所さんに怒られないことと、寝坊しないことを祈るばかりです。
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投稿日時 2011年06月21日 21:10
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コメント
(14)
目を覚ますんだ。現実はそこにある。
Limsa Lominsa (Balmung) 2011年06月21日 23:42
なんとwwwww

スーファミさん。ご近所さんは怒らなくても私が怒りますw

妄想じゃなかったらいいのにーーーwww
Nina Reiya (Gungnir) 2011年06月21日 23:47
出かける前にいったんゴミ出しに出るの偉いなぁと思いました( ´-`)
Lolotte Caplet (Gungnir) 2011年06月21日 23:48
(妄想は)自由だ~!! (某芸人風)
Arthur Ransome (Gungnir) 2011年06月22日 00:40
なんだか素敵な出会いの予感…!と思っていたらやっぱりスーファミさんの日記なのですね…また騙される所でした!
お互い妄想の潜在値がでちゃってる状態なのでどうしょうもないですよね…
Alia Mieze (Gungnir) 2011年06月22日 05:47
リムサさん
そう、これはきっと夢なんだ。目が覚めたらテーブルの上に名刺が置いてあって、その裏には携帯の番号が書いてあるんだ。

ニナさん
とりあえず何も言われなかったので、皆さん安らかな気持ちで私の歌声を聞いていたのでしょう。あるいは声をかけるのもうんざり、といった風にも取れますが、果たして結末はどちらに・・・っ!

ロロさん
もし何でしたら、今にもトラックに轢かれそうな子犬を華麗な身のこなしで救うことだって可能です。なんせ想像ですから。実際は出掛けに放り投げる勢いですから。

アーサーさん
でも、翌日読み返すと赤面することが多いで!

アリアさん
潜在値出ちゃってますかぁ。いいですねぇ。実にいい。
そのまま突っ走れば見えてくるものがあるさ!
ていうか、騙したことないよ!
Super Famicom (Gungnir) 2011年06月22日 17:32
どうもこんばんは、お邪魔しますね。

お気に入りの音楽を流しながらのロードストーンを見るのは、実は凄く贅沢な時間だと思ってますよ。
懐かしい音楽を不意に思い出しては真夜中に探す、凄く解りますね~~。
と、共感したのもつかの間、妄想オチとは(苦笑)
---- (----) 2011年06月22日 21:28
最後の3行まで、、、
信じていたのに!!
ああ、これは、FF14が引き合わせてくれた赤い糸で結ばれた人生の伴侶だと・・・・
なんて、私は涙ぐんだのに・・・
涙返せー!
Sheery Goldmayor (Gungnir) 2011年06月22日 21:58
リゼリアさん
あー、それもいいですねー。贅沢な時間ですねー。
真夜中の大捜索に共感頂けて何よりです。
せっかくなんで妄想オチにも共感してしていって下さい。hehehe。

シェリーさん
二人の出会いはブラッドショアでした。新郎が苦戦しているところ、新婦がケアルとプロテスをかけたのです。それがきっかけで二人は親睦を深め云々、といった仲人さんの紹介が思い浮かびましたが、これはすでにFF11のCMにありましたねぇ。
Super Famicom (Gungnir) 2011年06月22日 23:21
CDを探すあたりから暴走してたものの最後は妄想かよw
Liana Redstar (Excalibur) 2011年06月23日 12:14
すっかり騙された!
こんなお話ってあるんだ~とか、完全に騙されました!
山崎まさよし良いですよねープラスチックソウルが好きだったなあ
ウルフルズとかスピッツとかも良いですよ~
Rossa Lia (Gungnir) 2011年06月23日 16:56
リアナさん
なんか楽しくなってきちゃって、ニヤニヤしながら書いてました。ただでさえ人に見せられない顔が一層すごいことになっていたことでしょう。暴走してるのは、むしろ顔のほうだった!ぶひ、ぶひ。

ロッサさん
こんな話があってもいいと思うんです。実はお隣さんもFF14をやっていて、私の部屋から聞こえてくるBGMに反応して、「もしかしてFF14やってます?」「あ、ええ、まあ」「私もやってるんです!ちなみにサーバーは?」「イストリーです」「ああ、残念w私ギサールなんですよ。でも、移転しちゃおっかな(チラッ」みたいな。きもい!
ウルフルズにスピッツもいいですよねー。
Super Famicom (Gungnir) 2011年06月23日 22:58
こおんばんは。
おお、スーふぁみさんの甘酸っぱい出来事かと
おもいやきの、妄想ですかのおおおおおおおおおおおおおお。

毎回、ナイスですの!
Zilver Sitlong (Gungnir) 2011年06月25日 23:35
座長さん
ねー、甘酸っぱい出来事なんてそうそう簡単には起きないものですねー。
いやはや!世間は酸っぱいものです。
Super Famicom (Gungnir) 2011年06月27日 22:14
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